深夜　静まりかえった住宅街
見慣れた家々が敵に思える

ポツンと光る　遠くのコンビニ
闇夜の聖地だ

背後がやたらと気になる　
誰かが走ってくるのではないか

さむい
薄手のパーカーは懐を余計にさみしくさせる

ここでは助けはこないだろう
猫のような獣がすごい速さで横断した

くわえタバコの男とすれ違う
同じ空間にいるが同じ人間とは思えない

カサカサ　サー
草木がすれ合う音がやけに大きい

昭和からあるような街灯が鳴る
ジー　ジー

コバエがたかっている　
羽音は聞こえないが見た目がうるさい

なかなか距離が縮まらない
気づけば小走りになってる

心がざわつき始める
こうなると一気に恐怖に呑まれる

タッタッタッタ

闇夜の聖地

コンビニってこんな温かいんだ