ポエム
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戦場にて
振り向けばいつも君がいる
そう思っていた
そう思っていたのに
理不尽にも終わりは訪れた
 
銃弾が飛び交う戦場
そこでは生命など簡単に散ってしまう
殺らなきゃ殺られる
それが戦場なのだから

あの日君は
僕の知らないところでひっそりと息を引き取った
すぐに知らせは届いた
信じられなかった
僕は君を探した
皮肉にも君との思い出が詰まった場所を巡って
 
そして見つけたのは
君が残した一通の手紙
終わりが近づくにつれ
震えて読みづらくなっていく君の筆致
 
手紙を読む僕の感情など
過去の君にはお見通しのようで
自分を責めないで
泣かないで
そう書かれていた
 
仲良しなど作るな
僕たちはずっとそう言われてきた
そして今その言葉の続きを知る
失うのは悲しいから
 
でも君と出会い仲良くなったことに
僕は後悔していない

国はまた新たな作戦を実行し始めるようで
そうなると僕の命もそう長くはないだろう
 
だけど
君の涙の跡なのか
少しだけ紙の色の変わった最後の言葉を胸に
精一杯足掻くつもりだ
 
「ありがとう」
19/11/22 19:19更新 / 蒼空



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