夕日前にして、消える水平線
一番に輝くため
わたしは生まれてきたのだろうか。
あぁ、嫌気が差すね。
誰が頼んだんだ?と。
生まれた時からそうだったと
それを一生背負って生きていくんだと
そう感じずにはいられなかった。
幼い頃、列の先頭になれず、
「いちばんがいい!!いちばんがいい!!」と叫んだ事がある。
幼いわたしは訳も分からず、ただそう叫ぶことしかできなかった。
中学生になり、
親の財布からくすねて、
金で友情を買っていた。
あの頃のわたしには、
そうする事でしか関心を集めることができなかった。
大学生になると、
必死に「大学生」になりきり、あたかも自分は優位な存在だと見栄を張った。
それでもわたしはその幻覚が心地よかったのだろう。
社会に出ると、
顔色を伺い、上辺だけを作り上げ、
あたかも輝いている様に見せるだけだ。
それは輝いていたのかも分かっていない。
職場にも、家にも、
「わたし」はどこにもいない。
いや、そんなわたしを「わたし」として
受け入れられなかったのかもしれない。
わたしは輝きたい。
わたしはずっと叫んでいた。
「わたしをいちばん輝かせてよ」と。
誰も知らなかったんだ。
たとえ罪なき愛があったとしても
それは蝕む毒だと分からずとも
必死。ただ必死。
その一瞬を一生懸命に生きているんだ。
偽りとも知れぬ客観性の中で
人はいつしか「偽り」の主観に
染まっていく。
それでも
そこに悪気はなかったから
それが正義と信じてたから
地も海も空も
境目がなくなっていく
目の前には温もり
人を愛さずにいられないんだ