わたしと夢
あぁ、気分が悪い
なんとも肌にはりついて
頭は鉛が詰まったように重い
全く不思議なものだな
どうしてそんな脚本にしたのだろうか
少し腹立たしくもなる
観客は一人
趣味嗜好も把握済み
だけどこの脚本家は
作品への拘りが強くてね
どうも観客の事を
置いてきぼりにするんだ
脚本家曰く
「内側から湧き出すインスピレーション」
正直、ありがた迷惑にも程がある
でも憎めなくてね
時間が経つと
それは名作の予感がするんだ
子供の頃は分からなかったが、
大人になってそれが分かるように
早朝の湯に浸かりながら
そっと思い返す
ふき出す汗はそれとは違い
妙にさらっとしていた