ポエム
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ただ一つ、溶解を願う
五感が窒息する

蚯蚓が乾涸びる苦悩

井の中の蛙は

一体何を思うのだろう



神様はご丁寧に「眼」を二つ下さった

煌く佳麗に見惚れる為に

途絶えぬ虚無に嗚咽する為に



神様はご丁寧に「耳」を二つ下さった

慈愛の歓喜に酔い浸る為に

殺意の悲鳴に悶え苦しむ為に


神様はご丁寧に「私の命」を一つ下さった

そうか、ただ一つなんですね

どうか、ただ二つお願いがあります


僕は、死にたいんです

僕は、生きたいんです


神様は言う

「生きたいなら死ね」と満面の笑み

あぁ、何て意地悪なのだろうか



脳天を撃ち抜いて

腑を抉り潰して

網膜まで削ぎ裂いて

全てを失いたいんです



この身から溢れ出るほどに

熱く焦がれる生を感じたいと

震える拳に

そっと優しく溢れる



私はあなた あなたは私

あなたと私 溶け合える



その色眼鏡を外して

宛らみちびきのよう


さぁ、燃え尽くしてなくなれ


20/08/04 08:11更新 / なまこさん



談話室



■作者メッセージ
「自分がなくなる瞬間」って
とても澄み渡っていて、
心から生きていてよかったって、
僕達はそれを渇望しているんだと
心は叫んでるんだろうって。

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