ポエム
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追憶……時を超えた記憶……輪廻の岸辺に彷徨う者
夜がまた来る思い出連れて
俺とお前のよー、甘く
切なく隠微な秘めごと
鬼怒の河原のよ   
砂利鳴る草根を踏み分けて
重なる欲望は    
熱くたぎったふたつの肉棒

俺がお前によ  お前が俺によ
捧げた風紋は  あの日あの時
満天の闇へとよ 絡まり溶け込んだ

今独り漆黒の夜空をよ
見上げたところでよー
風紋は淡い思いになって
俺の胸をふわりと過るだけ
甚振るようにするりと抜けては
蒼黒の天球の彼方に消えるだけ

できるものならばこの手に抱き締めて
心の底からよー 涙を流して乞いたい
深いその情と慈愛で俺を許して欲しいと

お前は今でもよあの河原に居るだろうか
座っているだろか俺を待っているだろか
輪廻を超えても尚も変わらぬ愛を信じて

俺は幾星霜の時を超え今の俺になったが
時折り流れ来る止めどない涙の引き金は
お前を涜したこの身のカルマが引くのか(けがした)
沸々と湧き上り胸を締めるこの思い
会いたい、あの日のお前に会いたい
罰にさえこころ惹かれる、焦がれる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

迷宮に囚われてもなお双眸は
偶さかの夜の戸帳りに現れて
(たまさか)
咎で穢れたこの身を貫く  
分っていたんだな   
不浄なカルマの齣々に
流れ映る愛欲は   
無残にその身を引き裂くと

自堕落な俺の  忌わしい背徳と
愚かな悪行が  酸鼻な呪と化し
お前を打ち据え 魂を砕き割った
 
呪は楔となり時を止め (くさび)
塵々に砕けた魂を苛み続けてる 
苛みは塵の一粒まで掻き集め
朧げの檻に封じ込めた (おぼろげ)
輪廻の節理さえ目を背け
諦めるほど檻の奥深く

朝の戸帳りに仄かに浮かぶ双眸は
何を語り何を伝え何を知らせる
呪縛を解くには尚足りぬ俺の贖いか (あがない)

死者の心はよー とわに凍てる砂粒よ 
許し乞う千の涙と万の思いも凍らせる
砂粒は瞬きもせず空虚な銅鑼を鳴らす

闇と光の狭間で揺らぐお前を救う為ならば
俺は何も厭わない、身を切りかてて加えて
万の涙と億の思いを朧げの檻に送り続け注ぎ込む
不浄を溶かし迷いを捨て、輪廻とカルマの大河に
身を委ね黄泉の国へと旅立てるその日まで
石となった心を溶かしどこ迄も連れ添うよ
                
           








23/08/18 14:16更新 / アベタアイ



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