ポエム
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深海に百合
純潔は花弁に あの人魚姫は 白いこの花の名前を知ってるのか

そんなに下を向かないで 僕にその愛おしい顔を見せて

白い花弁は穢れを知らない

僕が触れたら枯れてしまいそうで

だけど 貴方が離れていくくらいなら

いっその事 陸への憧れごと枯らしてしまおうか


無垢な蜜は甘く 何もかもを虜にする魅惑の視線

僕はもう視線を外せない 綺麗な瞳に吸い込まれる

その瞳はこの大海を奏でる琴のよう

瞳さえ 海の泡になって消えるくらいなら

僕達二人 死んでしまおうか そのナイフで息を止めて


純粋は匂いを 漂うセイレーンの誘惑

きっと あの海の魔女も知らない

この声は貴方だけのもの 貴方と 僕のもの

声から愛を紡ぐ事を どうか許してほしい

弦が奏でる歌を この耳に刻みたいんだ


抱き締めたい 僕を受け入れて

この鰭も 鱗も 貴方に触れてもらえたら

その時は 愛してるよ と

深海へ 一緒に沈んでいく 百合の花
20/09/20 08:39更新 / ゆず



談話室



■作者メッセージ
海に見始められた、一輪の百合の花のお話

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