ポエム
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ギムレット
氷が硝子に弾かれて 乾いた音が響く

羽を広げた白鳥のように美しい

君と二人 喉を鳴らしたのは幾度目の夜

潤んだ瞳が視界を奪う 酔いは回っていない

隣の君がグラスと口付けをする

妙に色っぽいのは きっとギムレットのせいだ


浅い呼吸で会話をして 伏し目がちな瞼

鮮明に色付いた君の 愛おしい笑顔

文字はない 目線と吐息 心拍数だけ

それでも伝わる 互いの温度 ギムレットの香り


大丈夫 私たちに言葉はいらない

背中合わせの想い 目を開ければ見えるの

幸せな未来 ねぇ 噛み締めてよ ギムレットの味


合図もなく 無意識に 君の肩に寄りかかる

音の無い世界 もっと教えて 君の想い

肩に触れた手が語る それだけで顔が火照る

今だけ何もかも忘れて ギムレットを飲み干す前に

君だけを見つめるから
20/09/19 16:58更新 / ゆず



談話室



■作者メッセージ
艶やかな大人の夜 ギムレットを飲む

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