ポエム
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氷菓
透明なガラスの中にある 冷えたアイス

触ると肌がやけてしまいそう

貴方が私の髪を梳いた 長く細い指が頬を掠める

二人の時間は甘く儚い 好きなだけ貪ってくれていいのに

ガラスが亜麻色に濡れる 部屋の温度は高まるばかり



見つめ合った時間は何秒か 何分か

わからないね それほど貴方に夢中なの

窓の外はまだ青空が雲と戯れている

そんな晴れやかな日に二人 花を飾る

亜麻色の甘菓子は姿を変えていく



お互いの肩が触れるほど距離が近い

貴方の心臓の音まで聞こえてきそう

約束しよう もう離れないこと もう忘れないこと

キスで誓って 薬指の鎖は要らない

亜麻色 横目に目を瞑る

亜麻色 溺れそうなほど溶けて

ガラスの水滴が 雨上がりの露

下には水溜 流れる氷菓の行方

揺籃の軋む音 二人はもう瞹の中


氷菓が溶けていく
20/09/18 10:45更新 / ゆず



談話室



■作者メッセージ
氷菓が溶けるまでの とある愛物語

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