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ナマケモノ
ナマケモノって動物がいるだろう
あれはね、怠けてなんかないんだ
木につかまって、微動だにせず
時が止まっているみたいだろう
それでもあれは、生きているし、
生きるためにああして、じっとしているんだ。


人は彼らをナマケモノと呼ぶ
じっと動かないことを、怠け者という
彼らは今日も、そんなこと知らなくて
懸命に食べるものを探すだろう
その間、人間たちは
コンクリート製の木に登って
釣り上げられて乾いた魚の目をして
眩しい星々を俯瞰するだろう


僕たち人間はね、とても怠けたがりだ
忙しく動き回ることが働き者と
皆どこかで勘違いする
ナマケモノは怠けたがらない
いつだって生きるために懸命だ
どれだけ動きが遅くても
動くことをやめたりしない


今夜も僕は
薄汚れたコンクリの木にぶら下がって
ブルーライトの星々を見渡している


ああ、なんてつまらない。
なんて美しくないのだろう。

僕はそっと、闇に逃げる。
20/11/02 18:58更新 / 天星 ひつじ



談話室



■作者メッセージ
ナマケモノがふと頭に浮かんだので、彼らについて書いてみました。

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