ムンクの『叫び』は、真ん中にいる人がムンクで、その人が叫んでいるわけではないらしい。
作者がムンクで、叫んでいるのは世界だ。

きみがわたしの世界から消えたあの日、わたしの世界は叫び声を上げた。
きみとの出会いを呪うほどに、私の世界は荒れ狂っていた。

でも違ったんだ。
ムンクの『叫び』があれほど人を惹きつけるのは、世界が歪んだからこそなんだ。

私が胸を張って今の私であれるのは、きっとあの日の叫びのおかげ。

きみにお礼を言うつもりはないよ。
あんなに価値のある絵を手放さなければ良かったと思うくらい、私の絵はまだまだ美しくなるんだ。

■作者メッセージ
強い人の詩です。