や、俺はサボテンだ。

震える旅人よ、夜の砂漠は寒いぞ。

飛行機から飛び出して、どこへ向かうのだ。

四つん這いで歩くお前は、何をして生きたいのか。

水は、俺にもあることを知らず、歩くのだよ。

夢を見た感想はどうだい。
海の外を見てきたなら、何か言えるだろう。
いや、生きる意味を、見つけられなかったか。

三日前に死んだ男は、孤独に砂に埋もれて。

四十年前は落ちて死んだ母を坊やが食い。

数えきれないほど前、パートナーは野生の糧となって。

世は総て砂漠なんだと思う。
やりたい事も、嫌な経験も、その人間も、砂の数ほど。
生きていれば、お前も分かっていっただろう。

横這うな。砂をしがみ着くな。
お前の探す生きる意味などはない。誰しも。

神や、他人や、自分が作るしかないんだよ。

覚めろよ。男。
霧は濃いぞ。砂漠は寒くて、危なくて、暗いぞ。
俺みたいに、縦に歩くから野垂れ死ぬんだぞ

■作者メッセージ
生きる意味は
1.自分で定める
2.神に作られる
3.大切な人につけてもらう　の三つだと思ってます。
縦に、自分を創りながら生きていくだけでなく、横に誰かを知り、濃淡関係なく絆を作るのも大事ですね。