先日は雲一つ見当たらない　大変美しい月夜でしたね

かねてより一人で見上げていたあの夜空を

星の煌めきすら目に入らぬあの美しい月光を

他ならぬあなたと共に見られたこと、とても嬉しく思います



私を明るく照らしたかと思えば　

次の瞬間恥ずかしげに雲隠れして

誇らしげに佇んでいたかと思えば　

今にも消えそうなほど細く遠慮していらっしゃる


私がいつ見ても違った姿や輝きをしているので

あなたへの興味は永遠に尽きることがありません



あなたは自今どのような姿を見せてくれるのでしょうか

はたして遠いあなたにこの手紙は届くのでしょうか

また私と共に月を見ていただけますでしょうか

月が綺麗な夜　いつまでもお待ちしております
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具

■作者メッセージ
第二作
あなたとずっと月が見たい