無題
朝焼けを後ろに、鉄パイプに揺蕩う雨粒が輝いている
本当の愛があれば、きっと揺らぐ雨粒にさえ恋をできるんだろう
思うと、体が熱くなって、絞め上がり、血流が止まって、心が口へ吐き出そうになった
恋が愛になって結実する、それだけのことを生しえなかったんだ
あれほどの熱情と決意を抱いたつもりなのに、塵風に吹かれ吹き飛んだ
臭みと澱みとのみ残したまま、私は日々に沈降してゆく
でも、でも、たとい私を巻き戻せなくたって
またあの熱情が湧き上がると信じている
あの決意が降り注ぐと惟っている
出会ったんだ、そう...
本当の愛があれば、きっと揺らぐ雨粒にさえ恋をできるんだろう
思うと、体が熱くなって、絞め上がり、血流が止まって、心が口へ吐き出そうになった
恋が愛になって結実する、それだけのことを生しえなかったんだ
あれほどの熱情と決意を抱いたつもりなのに、塵風に吹かれ吹き飛んだ
臭みと澱みとのみ残したまま、私は日々に沈降してゆく
でも、でも、たとい私を巻き戻せなくたって
またあの熱情が湧き上がると信じている
あの決意が降り注ぐと惟っている
出会ったんだ、そう...