ポエム
[TOP]
雨と鏡の国
帰り道に降り続く雨で溢れ
生まれた水面が映し出したのは
この宇宙にたった一つしかないはずの
この景色と瓜二つのもう一つの世界

まるで鏡に映ったように
灰色に染まる空も並ぶ街並みも
何もかもが同じ、なら問いましょう
そちらの天気も雨でしょうか?

降りしきる雨が私に告げる
「鏡の国へようこそ」
その水面に飛び込めば
鏡の国へ入れるのかな?

水面が映す世界に見えた
そこに立つ一人の人物は
この世にたった一人しかいないはずの
私と瓜二つのもう一人の私

まるで猿真似をしてるように
歩く姿も着てる服もそしてこの顔も
何もかもが同じ、なら問いましょう
あなたの好きな色はなんですか?

降りしきる雨が私に告げる
「鏡の国へようこそ」
その水面に飛び込めば
もう一人の私に会えるかな?

鏡の国は雨がつくった水面で
晴れたらきっと消えてしまう
空は今、晴れようとしている
きっとこの扉もいつか消えてしまう
でも私がここにいる限り
雨の日になれば会えるでしょう
今はこれでさよなら、また会いましょう
雨の日に現れる鏡の国よ

まるで鏡に映ったように
青色に染まる空も並ぶ街並みも
何もかもが同じ、なら問いましょう
そちらの天気も晴れでしょうか?

残された水面が私に告げる
「鏡の国は晴れています」
雨が描いた一つの御伽話が
今ここで幕を下ろしていく

そしてまた雨が降ればやって来る

24/11/24 13:40更新 / 7tch1*



談話室



■作者メッセージ
水たまりのポエムです。
お久しぶりです。7tch1*です。
最近スランプで、詩が描けなくてしばらく顔を出してませんでした。

申し訳ありません。
そしてこれからもよろしくお願いします。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c