待ち合わせは午後2時。
真夏の昼下がり、温度計を見てみると、29°といううだる様な暑さだった。
約束の時間になっても君は来ない。
正直、暑すぎてもう帰りたいと心の中で思ったさ。
結局、5時を過ぎても君は来なかった。
約束を破るなんて、非常識な奴だな。と怒りが込み上げてきたが、すぐに消えた。
愛しい君だったから消えたのであって、他のやつなら僕は縁を切るところだった。
家に帰り、クーラーの電源をつけ、緑茶を飲み、涼んでいると、ふと、君が静かに笑っている白黒の写真が目に入った。

『約束の時間を破るなんて、君は酷いやつだなぁ。』
そう1人で呟き、次の日曜日にも君を待とうと思った。

■作者メッセージ
初めまして、渡雪桜草です。
よろしくお願いします。