ポエム
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恋の話のあとで
明るさだけが取り柄の
平凡な20歳の少女は
数人の友人と笑いながら
カーテンのそばで大きな輪を囲む
少年たちを見ていた
窓辺の光が少年の金髪を照らし
間接照明が少女の茶髪を撫でた

講義終わりのカフェテリア
人見知りしない強がりと
今しか見れない無謀さで
一生懸命背伸びして
君の輪っかに手を伸ばす
君の仲間の派手なノリ
真似してみても笑われた

君は恋の話が好きだと言った
恋の話で
やっと私の方を向いてくれたから
中1の初恋 クールなAくん
高1の逆転 第一印象最悪Bくん
大1の春には 憧れてたC先輩
過去の恋を全部話したけど
ただこれだけは言えなかった
今好きなのは
目の前の君だってこと

学期終わりの帰り道
夏が始まるワクワクと
今が楽しい無敵さで
一緒にいるのが背伸びでも
君の輪っかに付き纏う
君の仲間が少しだけ
迷惑してるのわかってた

君の恋の相手が知りたいと思った
恋の相手は
君の周りの女の子の誰かだと思うけど
注目の的の 元気なaちゃん
校内で噂 美人で見惚れるbちゃん
大本命かな 可愛い系のcちゃんが
どの子だって全部お似合い
ただこれだけは言えなかった
いつか私に
意外でも恋してってこと

2ヶ月ぶりのキャンパスで
風の噂で聞いたんだ
いつの間に彼女出来たって
メガネのあの子を選ぶなんて
思った以上に意外だね
背伸びであの輪に入るより
地べたで君を見上げてれば
よかったのかななんて

明るさすらもなくした
平凡な20歳の少女は
思ってたよりも泣きながら
カーテンの奥で2人の輪をつくる
少年たちを見ていた
窓辺の光が少年の金髪を照らし
憧れていた手があの子の黒髪を撫でた
25/11/12 18:34更新 / Rio

■作者メッセージ
恋愛ソング的なやつが書いてみたかった。

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