赤子には罪はない
戦争など知らない
愚かな大人たちのせいで
産まれるべく赤子が
悪魔に取り上げられる
　
大人たちも
罪なき赤子だったのだ
いつから裏切者になったのだ
なぜだ

裏切者もかつて
裏切られたのだ
神という自身の中の
赤の他人に

重大な勘違いをしてしまった
正しいのか悪いのか
誰にもわからない
ただ理不尽に奪われたのだ

奪い返してはいけない
産み出されなければいけない
例えば嬉しさに泣いて生まれる赤子のように
悲しみに飲まれ悲鳴をあげる銃弾のように

扱いを間違えてはいけない
存在を否定してはならない
全ての生きとし生けるもの
死してなお語るものにも
意味はある

いつか消えてなくなる命
すっかり消えてなくなる欠片
忘れないように時を経て
憎しみが愛にかわるときを待とう
そういずれ産まれる赤子のように

■作者メッセージ
難しいテーマになってしまうと語彙力と表現力のなさを痛感します