人魚の涙
透きとおるほど美しい海に伝わる伝説は
哀しみの泡となって今も水面を漂う
愛しい人のために流したあの人魚の涙も
広大な海の中へと埋没し
深い淵へと還ってゆく
あぁ、静かに波立つ碧い水しぶきが
夢の中へと誘う子守唄となって
夢幻(まぼろし)の詩(うた)を紡ぎだすけれど
愛する人の元へは何も残らず
いまや人魚の想いを彼に伝える術もない
ただ、苦悩の波が揺らめきながら輝き
人生を捧げた全てを讃え、昇華してゆく
天から濯ぐ光は煌く鱗となって
遥か彼方、沖のほうへと運ばれ
人魚の奏でる音色とともに
前世から来世へと
脈脈と受け継がれてゆくだろう
甘く切ない恋心をこれからも
何千何万もの世界の乙女達が見聞きするならば
わたくしは人魚の流した涙の代わりに
船縁から身を投げ出そう
人魚が愛する人のため
我が身を海に捧げたように
わたくしも天から授かりしこの身も心も彼に授けよう
私の生き血は海辺に浮かぶ泡となり
やがて遠い彼方へと受け継がれ
歓びの唄を紡ぎだす虹となって
天を駆け抜けてゆくだろうから・・・
哀しみの泡となって今も水面を漂う
愛しい人のために流したあの人魚の涙も
広大な海の中へと埋没し
深い淵へと還ってゆく
あぁ、静かに波立つ碧い水しぶきが
夢の中へと誘う子守唄となって
夢幻(まぼろし)の詩(うた)を紡ぎだすけれど
愛する人の元へは何も残らず
いまや人魚の想いを彼に伝える術もない
ただ、苦悩の波が揺らめきながら輝き
人生を捧げた全てを讃え、昇華してゆく
天から濯ぐ光は煌く鱗となって
遥か彼方、沖のほうへと運ばれ
人魚の奏でる音色とともに
前世から来世へと
脈脈と受け継がれてゆくだろう
甘く切ない恋心をこれからも
何千何万もの世界の乙女達が見聞きするならば
わたくしは人魚の流した涙の代わりに
船縁から身を投げ出そう
人魚が愛する人のため
我が身を海に捧げたように
わたくしも天から授かりしこの身も心も彼に授けよう
私の生き血は海辺に浮かぶ泡となり
やがて遠い彼方へと受け継がれ
歓びの唄を紡ぎだす虹となって
天を駆け抜けてゆくだろうから・・・