クルクルと舞いながら笑うのは誰？
ノッペリと白い仮面がお似合いのふたり
華やかな衣装を身に纏い
愉しそうに踊っている

客席から色とりどりの花達が
羨ましそうに見つめているよ

舞台は歓喜を極め
やがて優しい笑みがこぼれる時
ふたりは満足げに顔を見合わせ
ココロ合わせてうなずくんだ
この舞踏会の主役は自分達だ、と言わんばかりに

幕は降りて〝アイシテル〟を合言葉に
立ち去るふたりだけど
それってホントに〝愛〟なの？

涙の代償に得たのが〝愛〟なら
それは、かりそめの〝愛〟

さぁ、今度はベッドの上で
仮面の〝愛〟を踊り明かそう
真実は闇のなか
本心は溝のなかに棄てて

仮面が似合うふたりだから
きっと満足げに
寝室を吐息で白く曇らすだろう

僕は舞台の袖で笑い飛ばしてやるよ
冷徹に事実を睨み付けながら

ふたりのかりそめの愛が続く限り
僕は涙隠して恋の行く末を見届けよう