ポエム
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水晶
少女は涙を流した
涙は薄紫色の水晶でキラキラ光りながら
紅潮した頬の上を伝い落ちていった
少女は強く握った拳でゴシゴシと目を擦った
擦られた瞼はたちまち赤く腫れて
分厚く垂れ下がった

やがてこの子の痛みは和らぐことでしょう

泣き腫らして赤く燻んだ瞳で
鏡に映る自分の姿を強く睨みつけながら
少女は小さく息を吐いた

わたしはわたしのことを知らない
他人もわたしのことを知らない

彼女の瞳にはもう輝く水晶の痕はなかった
24/07/10 00:18更新 / 秋乃 夕陽



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