ポエム
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遠くの方から「声」が聞こえる
私を呼ぶ声が
甘く懐かしい声
低く、緩やかに私の胸に響いていた声

ああ、しかし今は
その声はキリのように
消えて失くなってしまいそう

声は蜃気楼のように
近づこうとすればするほど
遠ざかってしまう
耳をすまして
声を探ろうとするけれど
声は意地悪く無口になる

なぜこのようなことになってしまったのだろう
自分の肌が冷たく感じられる
暖かな寝床も与えられずに
私は迷い続ける
零れ落ちる涙は
露となって地面を濡らす
心は死んだ魚のように
灰色の海の上に浮かんでいる

脳裏に誰かの顔がぼんやり浮かんだ
それは愛しい者の顔
やがてにじんで消えてしまった
あれは幻だったのか?
私は強く頭を横に振った
想いを打ち消す為に

空は私の気持ちを裏切るかのように
青く澄み渡る空と
暖かな日の光で
天と地上とを祝福していた
24/06/25 09:43更新 / 秋乃 夕陽



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