ポエム
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愛屋及烏
「かまってほしい」ととうとつにLINEがきた

僕がかまうということはつまり僕はかまわれるということで

多分僕を心配しているんだろうなと感じた

そんなむきだしの優しさを受けて

あぁ僕はこの人に嫌われるのかなと感じた

人に嫌われたくないという

馬鹿みたいな信条をぶら下げている僕は

心配という手間を人にかけさせた時点で負けなのだ

表層を取り繕って生きる代償に

僕は心から人を愛せない特性を手に入れた

LINEの話題は次第に僕のことへと移っていき

遂に僕はぽろぽろと心情を吐き出してしまった

それでもなお僕をたくさんの言葉で心配するあなたは

100パーセントの心配を僕にかけているのだろうか

不安と恐怖

それらは心の琴線をぱちんと切っていき

「あなたの胸で泣きたいよ」

なんという自惚れた言葉を

直接言える訳もなく

行き場を失った言葉たちは

こんなところに流れ捨てられるのだ
22/01/31 01:16更新 / きうきう



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