段々分からなくなっていく

私は何を欲しがっていたんだろう

何故あんなに焦がれていたのか

誰と愛し合うつもりだったのかな

声も顔も少しずつ思い出せなくなって

触れ合う暖かさも忘れてしまう

もう他の誰かを愛せないけど

行方も正体も分からなくなった言葉を

態々溜め込む事にも疲れてきたよ

そろそろ楽になって終いたい

この心達を終わらせて眠らせたい

そんなどうでもいい事を考えながら

首筋に滑る鋭さの感覚に寄り掛かっていく

■作者メッセージ
どんなに深い傷を付けてもさ
どうせ痕も残っちゃくれないよ

この痛みは私だけのモノで、所詮ただの他人事さ
都合よく言葉を出したりして、阿呆臭いね