花園
ふうっと
ふうわりと
どこかの誰かが吐息を漏らせば
ひそっと
ざわざわと
こちらの花園が響めきだす
柔らかな香りの白百合を剥いで
剥いで、剥いで、黒百合
厭わしい香りの黒百合を剥いで
剥いで、剥いで、……何もない
けれど
何かがあると思って
何もないのに花を剥ぐ
この、原初的な憂いに
ぽわっと
いや、ぼっと
花園のどこかで灯りがともれば
きっと
それはきっと
鬼火だったりするのでしょう
不信感に包まれた鬼灯を剥いで
剥いで、剥いで、鳳仙花
孤立する鳳仙花を剥いで
剥いで、剥いで、……あれ?
この鳳仙花には触れられない
まるで
自ら拒絶しているように
ただ一輪淡く煌き続ける
この、寂寞たる憂いは
ふうわりと
どこかの誰かが吐息を漏らせば
ひそっと
ざわざわと
こちらの花園が響めきだす
柔らかな香りの白百合を剥いで
剥いで、剥いで、黒百合
厭わしい香りの黒百合を剥いで
剥いで、剥いで、……何もない
けれど
何かがあると思って
何もないのに花を剥ぐ
この、原初的な憂いに
ぽわっと
いや、ぼっと
花園のどこかで灯りがともれば
きっと
それはきっと
鬼火だったりするのでしょう
不信感に包まれた鬼灯を剥いで
剥いで、剥いで、鳳仙花
孤立する鳳仙花を剥いで
剥いで、剥いで、……あれ?
この鳳仙花には触れられない
まるで
自ら拒絶しているように
ただ一輪淡く煌き続ける
この、寂寞たる憂いは