ポエム
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花園
ふうっと
ふうわりと
どこかの誰かが吐息を漏らせば
ひそっと
ざわざわと
こちらの花園が響めきだす
柔らかな香りの白百合を剥いで
剥いで、剥いで、黒百合
厭わしい香りの黒百合を剥いで
剥いで、剥いで、……何もない
けれど
何かがあると思って
何もないのに花を剥ぐ
この、原初的な憂いに

ぽわっと
いや、ぼっと
花園のどこかで灯りがともれば
きっと
それはきっと
鬼火だったりするのでしょう
不信感に包まれた鬼灯を剥いで
剥いで、剥いで、鳳仙花
孤立する鳳仙花を剥いで
剥いで、剥いで、……あれ?
この鳳仙花には触れられない
まるで
自ら拒絶しているように
ただ一輪淡く煌き続ける
この、寂寞たる憂いは
19/10/25 16:27更新 / 星繍日和



談話室



■作者メッセージ
書き溜めていたやつです。
閲覧ありがとうございます。

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