ポエム
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五光に憧れて
それは寒い冬のこと
鶴が空を見上げていた
まだ春は遠いけれど
良いことがあると願って
赤い狼煙をあげる

梅が紅い花を咲かせて
澄んだ空気がどこまでも続く
何かが変わっていく予感に
少し胸が騒つく

めでたいことが増えていく今日
桜が咲き
人々が別れを惜しむ
変わらないでいてほしいと思う
この気持ちはどこへ向ければ良いのか

始まりの合図
草木がすくすくと育っていく
鳥も眠りから覚めて
緑の大地を飛ぶ

水が輝くころ
花もまた美しい
大地に凛と立つアヤメ
人はいつか
その佇まいに癒されて

暑い夏まであとどれ程か
動物も植物も鮮やかな色になる
派手な色の蝶は
花と花を行ったり来たりして
甘い蜜を運んでいる

人々が賑やかになると
山の獣たちが
麓に降りてくる
えんやこら、えんやこら
人が油断している間に
真っ直ぐ降りてゆく

月がはっきりと見える夜は
どこかひんやりとしていて
肌寒い
満月に引き寄せられるから
気を引き締めよう

まだまだ
寒さに強い花が咲く
みんなでお酒でも飲んで
強い香りに酔って
踊り唄う

山が紅葉するころ
パリパリ
葉っぱを踏む音
森のどんぐりの絨毯の下で
こそこそ
小さな動物達の会議

風が強い日
巣から飛び立つ鳥もいた
そのうち雨が降り出して
川ができた
あの鳥は無事に海を渡れただろうか

鳥は幻になって
この年が終わることを人々に知らせた
良い一年にするために
ここで
また一区切り






21/05/05 14:47更新 / Mirror



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