空白、余白
それらはとても美しかった
忙しない人々はいつかそれらを忘れてしまった
響いていた音が止まる一瞬
人と人の間にある目に見えない距離
改行した一行
1秒間の休符

とても悲しい時
私の心は「痛み」でいっぱいだった
誰かに見られたり触られたりするだけで
チクチクと痛んだ

空白、余白
それらはとても美しかった
私は、スペース　キー　を押し続けて
自分の心を空っぽにした
でもそんなに物理的なものでもないかもしれない
空間と空間の隙間にひっそりと隠れた
そこは何も動いていない
静寂

臆病な自分でも良かった
不意に自分の心がどこかへいってしまうけど
それでも良かった
そうしないと私は存在できなかった


「誰か」って誰なのか分からないけど
その誰かと沢山距離をとった
あなたを傷つけない代わりに
私は身体いっぱい空白で埋め尽くす

何もない代わりに
誰も傷つけない

その美しさに気づけたと思ったのに


詰め込まれた文字の中
自分が「何者か」でありたいと願うために
私はいつだって必死に
こうしてここに私は居ますと伝え続けている
忙しなく文字を打っている
少し深呼吸して
1日にも、人生にも、　　　があっていいのではないか
　　　　が必要なのではないか




空白





余白