胸騒ぎがする
やけに落ち着いた夜だ
誰かに呼ばれる気がする
何かが始まる気がする

誰かに呼ばれて
炎に照らされて
そこはまるで
雨上がりの夜の匂い

もう少しで出かけなければ
今その場所に行かなければ
誰かが戦っている
自分の大切な人がそこにいる気がする

私はまだスープを作りながら
ただスープを作りながら
大切なあの人は
私が会いに行く前に
必ず無事に帰ってくるような
そんな思いもあった

結局動き出せないまま
暗闇に立ち尽くしたまま
何かが始まる気がして
あの人の気配を感じた気がして
これから始まる何かと
あの人の力強さに
やっと、1人でもしゃんと立つことが
できた

■作者メッセージ
いつもありがとうございます！