ポエム
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真九


そんなに怒られたくない
ゆっくりと落ちてくる
まだ行かなくてもいい

でもその揺らぎは伝わってくる

誰も正しくない
だからルールがある
それなりに守っておけばいい

りんごが落ちてくる
ぽとりと落ちてくる
思ったより早かったから
それは床に飛び散って消えた

もう一度 もう一度 やろう
ルールなんて要らない
誰もが
その人らしく生きればいいのかも

また落ちてくる
ゆっくり広がっている
砕け散ったりんごに触ってみる
まだ水水しかった

だから辞めろと言ったのに
誰かが言う
そんなに強くないから
枝ごとポキンと折れた

りんごはやがて地面のひとつに
地面と水の
そのでこぼこがちょうど良かった

言葉には重みがある
りんごよりもきっと重い
優しく誰かの手に触れて
その感触を確かめる
1ミリずつずらす

ゆっくり誰かを知る
まだ誰のことも知っていないから


誰かを思い込みで締め付けなくてもいい


りんごは
人に触られて
きらきらと光った
自分を取り戻したように
21/01/28 00:16更新 / Mirror



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