東京にいた頃は
東京にいた頃は
何もかもが新鮮で忙しなくて自由だったな
いつもいつも悩んでいたから
いつもいつも何かと戦っていた
今どれほどあの光の中に
戦う人がいるのだろう
笑っちゃうね
あんなにあそこに居たかったんだ
あの喧騒の中生きていたんだ
光り輝いていた
沢山のビルも街を歩く人々も
タバコの煙さえも
ただの信号だってうんと赤く光っていたものだ
あんな詩だって書けないだろう
あの刺激を感じられないだろう
今だってそうか、
私はこの大地の上で
悩み続けているようだ
輝きを絶やすことない都会の
隅っこで闇のように暮らしていたけれど
自分の好きなことはしっかりあった
私にも君にも
何処にいても見失わないように
あの光を見失わないように
自信をなくさないように
90円のコロッケで泣けるほど幸せになれたように
まだ何か見つけられるはず
また、何か見つけられるはず
あれほどキラキラした世界をもう一度
高級な化粧品の匂いがして
綺麗な女の人がヒールでコツコツと通り過ぎる
スーツのサラリーマンが
エレベーターの中で窮屈そうにしている
東京タワー
夜の新宿
早朝3時
私は歩いていく
命ある限り
どんな道でもどんな場所でも
自分なりに