ポエム
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東京
暗闇にズラーっと光る窓、窓

たくさんの人

私は電車でため息をついて

あぁ東京に来たんだなと思った

暗闇に窓だけ浮かんで見えたから

あの人たちはどこかへ行ってしまう気がした

色んなことがあった

例えば、

ある日突然好きな人が消えてしまった

夢の街に行ったと噂で聞いた

私は泣きながらスプーンを拾い集める

あの人はもういないのに

物が私に語りかけてくる

私は泣きながら頷いて

分かってるよと言った

すれ違う時同じ顔に見えたあの人たちも

きっと誰かの大切な人だ

スプーンが記憶よりも一本少ないのは、

あの人がまだ使ってるからだと思う。

私は、ひとりぼっちを、

信じられずにいる。

あなたもきっと誰かの大切な人だ

私が寂しく理不尽な状況にあったとき

泣いてくれたのはあなただったね

誰もが誰かの大切な人だと気づいた、

東京












21/10/09 03:19更新 / Mirror



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