小さなかけら
溢れた小さなかけら
それを大事にポケットに入れた
自分が上手く飛べないことは
昔からよく
分かっていた
羽を動かすのが難しい
足を動かすのが難しい
それでも、やってみたいんだ
遠くのお日様にかざしたら
どこまでも透き通った
小さなかけら
もう傷つきたくないよ
だけど、やってみるんだ、いつも
上手くいかなくても、
お日様の暖かさを感じるときがある
それは水たまりをジャンプしたり
飛べなくて土手から転げ落ちたときだったり
小さなかけら
それは大事な大事な僕の分身だよ
オレンジ色にも水色にもみえるそれは
ピカピカ光ったよ
飛べないままの僕でも
きっと会えるから
優しい人に会えるから
溢れた小さなかけら
それを大事にポケットに入れた