レモンバーム
今にも壊れそうな扇風機が右目を乾かしていた
台風が全てを果てさせることに期待していた
ブルーライトで盲目になりたかった
暗い沈黙に溶けるため息はいつまでも夏を引きずっていたけれど
ハーブティーを淹れながら早く冬眠したいと思うのも嘘ではなかった
みんみんぜみがつくつくぼうしになっても結局蝉は蝉なんだ
そのことに絶望したあの日は薬なしに眠れた唯一の夜だった
きっとすぐに忘れられる
96度の湯
台風が全てを果てさせることに期待していた
ブルーライトで盲目になりたかった
暗い沈黙に溶けるため息はいつまでも夏を引きずっていたけれど
ハーブティーを淹れながら早く冬眠したいと思うのも嘘ではなかった
みんみんぜみがつくつくぼうしになっても結局蝉は蝉なんだ
そのことに絶望したあの日は薬なしに眠れた唯一の夜だった
きっとすぐに忘れられる
96度の湯