なにが君のその
固くしめきった心をどう緩めたのか

目の前で溢れ出した
とめどなく

いつも余所行きの整った顔
ぐしゃぐしゃにして
声にならない声で
呼吸もばらばらでさ

どこからやってきたの
その溢れでる涙は

どんな傷を守っているの
どんな痛みに耐えていたの

だれがそこにいるの
なにに怯えているの

聞かないけどさ
隠そうとしないで
そんないまさら

そんなたくさんの涙
掬えやしない
救えやしないんだ

だからさ
見ているから
ここで最後まで
いつまでだって
安心していいよ

きれいだよ
ほんとだよ

手は差し伸べているけど
両手を広げているけど

きみは
絶対この手を取らないだろう

必死にひとりで立って
闘い続けるんだね

ねえせめて
ここは安全だから
ゆっくりしていってよ

そんなわたしの瞳から
一粒流れた

君を追いかけるように
追いつけやしないけど

ふたりきりの
この瞬間を

いつまでも忘れないで