愛はいらない

そばにいてよ

こどものように泣いて


少し離れれば

また振り向いて

淋しいと駆け寄る

堪え性のないひと


私がもし

魔女ならば

願わくば

さよならの魔法を


目隠しをするの

もう私が見えないように

耳当てをするの

思い出の声に惑わされないように

道を消し去るの

もう戻れないように

そして風を吹かせるわ

前にだけ進めるように


あなたが思うように

歩ける時がきたら

雪は溶けるでしょう

その時きっと

春は訪れる

そして忘れていくでしょう


幸せになってほしい

私の知らない遠く離れた場所で

報せなんて届かない

あなたの知らない

ずっとずっと遠く離れた場所で

私は留まり続ける


美化され続ける思い出

それだけあればいい


私がもし

魔女ならば

願わくば

さよならの魔法をあなたに


そっと優しく

かけてあげるのに