ポエム
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これは夢の話です詞ではありません
古い木造の民家の中にいる。

薄暗く、とても静かで
踏みしめるとみし、と音がする
それが妙に心地よく
深い温かみを感じる

ここは1階で
廊下のようだ
すぐそこに
引き戸の出口が開いている。
そこから見える地面は土だ。
まだ昼間で外は明るい
風に砂ぼこりが少し舞っているのがわかる。

外から何人かの男の人の声がする。

出口に向かって足を踏み出すと

「どちら様、もう閉めましたよ」と
奥に続く廊下からこちらに歩み寄る
一人の老婆。

閉めましたよ、の言葉から
なにかの会館であると
即座に理解できた

会館といっても
民家のような造りなので
地域の集会所のようなものなのだろうか

出口に促されてゆっくり進むと
出口のすぐ右側に階段が見えて
私は上がっても?と申し出た。

老婆は承諾してくれ
一緒に2階へと上がる。

廊下もほとんどない2階には
2部屋ほどあり
その1部屋に入ると
6畳ほどの畳部屋で
箪笥、卓袱台、座布団があり
長細い鏡もある。

壁には遺影がたくさん。
その中の一人の女性を見て私は
「とても懐かしい、ここだったんですね」
と意味深な言葉を発し
恋しさを感じて
暫く見入ってしまう。

老婆は黙ってこちらを見ていた。

ふと外からの
先ほども聞こえた男性の声
窓の手すりから少し身を乗り出すと

作業着の若い男性たちが
5.6人で集まって会話している

一人がこちらを見上げ
目があったところで

終わってしまった


目が覚めたとき
とても有難い気持ちになり
暫く余韻に浸りながら
記憶に刻み付けた。

思い出しても
行ったことのない場所
会ったことのない人で
でもその家の造りや
人の輪郭や顔の作り、表情
すべて本物で色も鮮やか。

よくある断片的な
飛び飛びのシーンではなく
全部繋がってる。
半分ほんとの自分、半分違う自分
のような感覚で見る世界

こんな夢を
たくさん見ます

どれも意味があるようで
でも答えはでないから

大切にしたいと思う。
22/01/26 18:27更新 / 稲の花



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