ポエム
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アトリエ
たとえばわたしの

胸のなかを

クローゼットのように開けられたなら

そこにはどんな色が

彩られているのか

見てみたい


そこには時折

誰かがやってきて

色んな絵の具をごちゃまぜに

混ぜ合わせていくの


甘い味がするように淡く

痛みを伴うように激しく

丁寧に乱暴に


わたしだけのアトリエは

誰かの差し色ばかりが散らかって

なんて不細工なのだろう


本当は何色に仕上げたいの

今すぐそこを開け放って

未完成のままに

無彩色を流し込みたい衝動

永遠に残して眺めたい願望


完成を拒んだとして

反射するような見栄えも

いつかは乾き褪せ

そしてまた艶を取り戻すのだろう


いつの間にか忍び込んだ

誰かの取る筆によって。
21/11/15 19:51更新 / 稲の花



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