ひとこえのえこ一
とあるだれかがおもいました。よめるばしょに、なにかかいて、みえてるものをこえにだそう。べつのだれかがおもいました。どこかで、だれか、おなじことをかんがえてたり、するのかも。あるひ、ふたりめのだれかが、いつもはさがさないところを、さがしてみました。ひとりめのことばがみつかりました。
ふたりめはうちょうてんになりました。くいいるように、ひとりめのことばをよみました。いくらよんでも、たりませんでした。ばかにしてたどこかによりどころをつくり、ひとりめのことばをみのがさないようにしました。そしていつのまにかじぶんも、じぶんにみえてるものを、こえにだしはじめました。
こえをだすのになれてきたふたりめは、やがて、はなしてみたいとおもうようになりました。ひとりめにじぶんのこえをきいてほしいとおもいました。ひとりめのこえをひとりじめしたい、とすらおもいました。おそるおそる、おそるおそる、こえのとどくところで、ひとりめにむけて、こえをだしてみました。
ひとりめはすぐにへんじしてくれました。ふたりめはうちょうてんになって、ばかなことやあほなことやはずかしいことをたくさん、たくさん、おもいつくかぎり、はなしました。なりふりなんてかまってられませんでした。ひとりめはひとつひとつをきいて、いろいろなはなしや、しんぱいをしてくれました。
ふたりめは、いてもたってもいられなくなりました。ひとりめのいいところをおもいつくかぎりさるまねしてみました。うまくいくところと、いかないところがありました。もちろん、たくさん、ありました。じぶんなんてばかだ、あほだ、はずかしいとおもいました。 もうやめようとなんどもおもいました。
ふたりめはそれでも、うちょうてんのままでした。ひとりめのともだちなみんなと、できるかぎりともだちになろうとしました。うまくいくひとと、いかないひとがいました。もちろん、たくさん、いました。あいつらなんてばかだ、あほだ、はずかしいとおもいました。もうやめようとなんどもおもいました。
ふたりめはそれでも、うちょうてんのままでした。なりふりなんてかまってられませんでした。こえをだし、ともだちをさがしつづけました。そしてあるとき、きづきました。ふたりめだから、ひとりめみたいにできないんだ。ひとりめみたいにやるには、できるには、じぶんもひとりめになるしかないんだと。
ふたりめは、いてもたってもいられなくなりました。おそるおそる、おそるおそる、さるまねを、やめました。じぶんだけのこえを、じぶんだけのだしかたで、まえよりもおおきく、だすようになりました。だれかのともだち、みんなのともだち、ではなく、じぶんこそのじぶんらしいともだちをさがしました。
あるひ、ふたりめは、いつものばしょで、こえをだしました。じぶんだけのこえを、じぶんだけのだしかたで、せいいっぱいだしました。しばらくして、だれかのこえがきこえてきました。ちょっとだけちいさくて、ちょっとだけおおきくて、とてもすてきなこえでした。ふたりめは、すぐにへんじをしました。
ふたりめはうちょうてんになりました。くいいるように、ひとりめのことばをよみました。いくらよんでも、たりませんでした。ばかにしてたどこかによりどころをつくり、ひとりめのことばをみのがさないようにしました。そしていつのまにかじぶんも、じぶんにみえてるものを、こえにだしはじめました。
こえをだすのになれてきたふたりめは、やがて、はなしてみたいとおもうようになりました。ひとりめにじぶんのこえをきいてほしいとおもいました。ひとりめのこえをひとりじめしたい、とすらおもいました。おそるおそる、おそるおそる、こえのとどくところで、ひとりめにむけて、こえをだしてみました。
ひとりめはすぐにへんじしてくれました。ふたりめはうちょうてんになって、ばかなことやあほなことやはずかしいことをたくさん、たくさん、おもいつくかぎり、はなしました。なりふりなんてかまってられませんでした。ひとりめはひとつひとつをきいて、いろいろなはなしや、しんぱいをしてくれました。
ふたりめは、いてもたってもいられなくなりました。ひとりめのいいところをおもいつくかぎりさるまねしてみました。うまくいくところと、いかないところがありました。もちろん、たくさん、ありました。じぶんなんてばかだ、あほだ、はずかしいとおもいました。 もうやめようとなんどもおもいました。
ふたりめはそれでも、うちょうてんのままでした。ひとりめのともだちなみんなと、できるかぎりともだちになろうとしました。うまくいくひとと、いかないひとがいました。もちろん、たくさん、いました。あいつらなんてばかだ、あほだ、はずかしいとおもいました。もうやめようとなんどもおもいました。
ふたりめはそれでも、うちょうてんのままでした。なりふりなんてかまってられませんでした。こえをだし、ともだちをさがしつづけました。そしてあるとき、きづきました。ふたりめだから、ひとりめみたいにできないんだ。ひとりめみたいにやるには、できるには、じぶんもひとりめになるしかないんだと。
ふたりめは、いてもたってもいられなくなりました。おそるおそる、おそるおそる、さるまねを、やめました。じぶんだけのこえを、じぶんだけのだしかたで、まえよりもおおきく、だすようになりました。だれかのともだち、みんなのともだち、ではなく、じぶんこそのじぶんらしいともだちをさがしました。
あるひ、ふたりめは、いつものばしょで、こえをだしました。じぶんだけのこえを、じぶんだけのだしかたで、せいいっぱいだしました。しばらくして、だれかのこえがきこえてきました。ちょっとだけちいさくて、ちょっとだけおおきくて、とてもすてきなこえでした。ふたりめは、すぐにへんじをしました。