ポエム
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人形とロボット
おもちゃ箱の中、あなたと私、いつも一人だったよね。

私は一人が耐えられなくて、おもちゃ箱から飛び降りた。
足からは綿が出て、それから歩けなくなったんだ。
おもちゃ箱に戻ったら 心配したのは あなただけ、
他のおもちゃには見えてないみたいだった。

計算高くて なんでも出来るあなた。
車椅子を押してくれて、手を貸してくれて、感謝してもしきれない毎日だったよ。
だからあなたの胸の鉄板に、確かな暖かさをいつも感じてた。

なんでも出来るあなた。助けてもらってばかりの私。
いつも一人のあなた。いつも一人の私。
どこか似ていて、どこか違くて
でも、ずっと続いて欲しかった この日々。

ある日突然
「俺にはもう時間がないんだ。だから最後まで 一緒に居たい」って真面目に。彼はもう電池切れだった。今でもはっきり覚えてるよ、あの言葉。
それから笑いの絶えない毎日を、しっかりと二人で乗り越えいった。

電池切れに近づくにつれて 日々がおぼつかなくなってく。指先までもが動けなくなって立ち上がることさえままならさそうに。
でも 懸命に懸命に

今は病院 “ここまで”の話をベットに横たわってる彼へ 病室で一人で喋ってる。
でも、もう彼の電池はとっくに空で、聞こえてるはずがないのに喋り続けていてる。

思えば私たちの出会いって 散々なことばり。でもそれが強く私たちを結びつけて離さなかったんだ。過酷な運命の中で私たちは凛としていたんだ。

病院を出た後に 彼の言葉を思い出した。
「俺にはもう時間がないんだ。だから最後まで一緒に居たい」
「最後まで一緒に居たい」
彼からの愛の告白だったのだ。
19/07/12 23:17更新 /



談話室



■作者メッセージ
初の長文とストーリー展開でしたので至らぬ点が多数あるかと思われます。 なので何かアドバイス等あればお願いします。

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