自転車通学
鋭く純な風が、
僕の頬をなぞってゆく。
吐き出した息が、
透明な空気を白く染め、
黒い影となって、後方に消える。
風と共に頬をかすめて。
薄月と真っ青な空のキャンバスの中、
次第に吐く白は、その領域を増してゆく。
たちこぎの速さも増す一方で、
風景は乱れに乱れていた。
ギシギシと音を立てる自転車。
鋭い風が、重く分厚くなって聴こえてくる。
荒々しい音が、僕の速さを物語る。
「おはよっ!」
息の乱れがなくなった後、
僕の心臓が高まっていたことと、
サドルに座って速度を落としていた事に気付いた。
「おはよ」
そのタイミングで、
髪をなびかせた彼女
溢れんばかりの青空、
眠そうな月と黄色の太陽が
ワンフレームに収まった。
にこやかに笑う彼女を見て、
明日もまた早起きしようと思った。
僕の頬をなぞってゆく。
吐き出した息が、
透明な空気を白く染め、
黒い影となって、後方に消える。
風と共に頬をかすめて。
薄月と真っ青な空のキャンバスの中、
次第に吐く白は、その領域を増してゆく。
たちこぎの速さも増す一方で、
風景は乱れに乱れていた。
ギシギシと音を立てる自転車。
鋭い風が、重く分厚くなって聴こえてくる。
荒々しい音が、僕の速さを物語る。
「おはよっ!」
息の乱れがなくなった後、
僕の心臓が高まっていたことと、
サドルに座って速度を落としていた事に気付いた。
「おはよ」
そのタイミングで、
髪をなびかせた彼女
溢れんばかりの青空、
眠そうな月と黄色の太陽が
ワンフレームに収まった。
にこやかに笑う彼女を見て、
明日もまた早起きしようと思った。