ポエム
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唯一の味方が、最大の敵だったとは。。。
認知症の義母が来てから、
自分の生活を守るための対処法を日々更新していく。

義母が10分おきに起きてこようが、
いつも「おはよう」と言い、迎え入れてます感を出す。
すると、ここは何処だという、ギョロギョロとした目が、
段々と優しい目になってくる。失敗すると、ここから攻撃的に怒り始める。

義母が怒る度に、本や体験談を読み、
対処法を試して、成功パターンを作っていく。

義母は、私が誰かもうわからない。
食事の時間など遅れると「こんな感じで、お給料を貰ってるのか。」
などと言う。
でも、ここまでは、認知症だからと理解できる。

ここから最大のモンスターが現れる。
主人だ。息子の前だと、義母は今までの穏やかな義母になる。
頭も比較的しっかりして、会話もなんとか出来ている。
その上、主人は大半を会社で過ごすので、主人と私の認識が全く違う。
危機感も違う。
認知症の義母に怒っても仕方がないのに、注意したりする。
主人にとっては、言葉の通じる母のままだから、対等に話そうとしたりする。
そして、主人がいない次の日に義母が荒れる。
いくら、言っても体感がないのでわからない。
「認知症を勉強してよ」と言っても、
人は、自分に必要性を感じないと動かない。

今まで、ほとんど喧嘩のなかった夫婦だったけれど、言い合いが多くなる。
私が、主人に怒ってる雰囲気を察して、今度は、義母が怒り始める。
なので、2人が揃った時は、主人の行動や言葉に腹が立った時は、
心の中で、言葉の通じない「あれは猿、あれは猿、あれは猿」と呪文を唱えることにした。

そんな状態の中の子供は、と心配になる。
子供にとって、幸せな時間を過ごしていたところに
突然、認知症の義母が降ってきたようなもので、溜まったものではない。
もともと子供は、注意しやすいので、とにかく子供のやりたい事を邪魔されないよう、私が守らないと思う。子供と義母のやり合いの対応が本当に難しい。
子供との関わり方の危機感でさえ、主人と共有することはほぼ不可能。

現在、日本の3分の1が、高齢者と言う。
女性は、家庭と仕事と子育てと介護が同時進行で行われている。
しかも、私の年代では、段々と更年期障害の心配も出てくる。
認知症の義母が来るまで、まさか主人が最大の悩みの種になるとも思わなかったし、子供達が、どういう状況に置かれているかも知らなかった。

とにかく、今は、自分の家庭を守ること第一に考えて進んでいくしかないと思うばかり。


23/06/11 11:21更新 / kanata



談話室



■作者メッセージ
長くなりました。

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