ポエム
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借り物
3歳からメガネをかけた。

年齢が上がるにしたがって、鏡を見ながら、
小さい目や団子っ鼻や丸い顔が気になり、
コンプレックスになった。

高校生になって、コンタクトに変えた。
初めてメガネのない自分の顔をしっかりと見た。
すごく不思議な感覚で、コンプレックスが一気に0 (ゼロ) になった
・・・というより、自分の顔含め、身体ごと借り物だと感じた。
自分のものではないなっと。
この身体は、神様からの借り物。
その借り物に、目が小さいや顔が丸いなどの文句を感じなくなった。
鏡で、自分の顔を見ても何も思わなくなったし、鏡をあまり見なくなった。

そう感じるようになって、借り物の身体を大切にしないとと思うようになった。
自分を傷つける人には、許さないと怒れるようになった。

人には、そんなことないと思うことでも
本人にとっては、すごく気になることだったりすることがある。
自分のことだと我慢してしまったり、
相手に対して鈍感になってしまうこともある。

個性と言われるものは、自分を出すことのように捉えてしまうけれど、
本当は、自分を消していく、自分に対しての意識を無くして(無意識にして)いくことのように思う。


20/11/24 03:11更新 / kanata



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