ポエム
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おにぎり
子供の頃、山に登っていた。
いつもの生活の中では、水は、普通に水で、何も気にも留めない。
好きでも嫌いでもないものだった。

子供なので山での水を飲む配分なんてわからず、
どんどん無くなっていく。
山頂では、いつもなら吐き出すような、ぬるい水も、普通の白おにぎりも
絶対取られたくないと思う。何物にも代えがたいものになる。

子供ながらに、ものの価値観が場所によって、自分の気持ち次第で
こんなに変わるものなのかと衝撃を受けたことを覚えている。
価値観は、自分で決めることなんだ。自分で高めることができるんだ。

地上に降りると、みんなの物の価値観が共通なことに
とても違和感を感じてしまう。
20/03/26 02:25更新 / kanata



談話室



■作者メッセージ
極端な話だが、指輪とネックレスならどちらを選ぶか。
指輪は、自分でつけている指が見えるから、気分が上がるが、
ネックレスは、正直自分では見えない。
なのに、高いお金を出してつける。
これはなぜなのか、子供の時から不思議だった。
ネックレスは、他の人から喜びをもらうのか、
自分の中の想像から喜びを感じるのか。

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