ポエム
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トイレットペーパー
トイレットペーパーを巻き取るように
日々を消費していく
紙と紙の繋ぎ目の切り込み線
そこで私と君は出会った
君は家事とギターを弾くのが得意だった
トマトと牛乳が嫌いなのは私と同じだ
嫌いなものが同じということが私達の距離を縮めた
日常会話ではあまり盛り上がらないのに
陰口を言う時は饒舌になり一体感が生まれる
それと同じである

次の繋ぎ目で私達は家族になった
雨がしとしとと降る日の結婚式だった
雨は私も君も嫌いじゃない
雨はどこかロマンチシズムを掻き立てる
紫陽花を這う蝸牛と
蛙の鳴き声が印象的な結婚式だった

そうして幾度も繋ぎ目は訪れ
やがて私の人生は芯だけとなりポイされるだろう
人生なんてそんなものだ
だからこそ私はその時々の感情を大事にしたいと思う
どうせ捨てられる運命だ
外聞も痴態も屈辱もあるものか

そんなことを考えながらトイレットペーパーを巻き取る私の耳に
「お母さんはやくしてよ」と大声を上げる息子の声と
トイレのドアを乱雑に叩く音が響いた

18/12/17 14:56更新 / yasu



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