トイレットペーパー
トイレットペーパーを巻き取るように
日々を消費していく
紙と紙の繋ぎ目の切り込み線
そこで私と君は出会った
君は家事とギターを弾くのが得意だった
トマトと牛乳が嫌いなのは私と同じだ
嫌いなものが同じということが私達の距離を縮めた
日常会話ではあまり盛り上がらないのに
陰口を言う時は饒舌になり一体感が生まれる
それと同じである
次の繋ぎ目で私達は家族になった
雨がしとしとと降る日の結婚式だった
雨は私も君も嫌いじゃない
雨はどこかロマンチシズムを掻き立てる
紫陽花を這う蝸牛と
蛙の鳴き声が印象的な結婚式だった
そうして幾度も繋ぎ目は訪れ
やがて私の人生は芯だけとなりポイされるだろう
人生なんてそんなものだ
だからこそ私はその時々の感情を大事にしたいと思う
どうせ捨てられる運命だ
外聞も痴態も屈辱もあるものか
そんなことを考えながらトイレットペーパーを巻き取る私の耳に
「お母さんはやくしてよ」と大声を上げる息子の声と
トイレのドアを乱雑に叩く音が響いた
日々を消費していく
紙と紙の繋ぎ目の切り込み線
そこで私と君は出会った
君は家事とギターを弾くのが得意だった
トマトと牛乳が嫌いなのは私と同じだ
嫌いなものが同じということが私達の距離を縮めた
日常会話ではあまり盛り上がらないのに
陰口を言う時は饒舌になり一体感が生まれる
それと同じである
次の繋ぎ目で私達は家族になった
雨がしとしとと降る日の結婚式だった
雨は私も君も嫌いじゃない
雨はどこかロマンチシズムを掻き立てる
紫陽花を這う蝸牛と
蛙の鳴き声が印象的な結婚式だった
そうして幾度も繋ぎ目は訪れ
やがて私の人生は芯だけとなりポイされるだろう
人生なんてそんなものだ
だからこそ私はその時々の感情を大事にしたいと思う
どうせ捨てられる運命だ
外聞も痴態も屈辱もあるものか
そんなことを考えながらトイレットペーパーを巻き取る私の耳に
「お母さんはやくしてよ」と大声を上げる息子の声と
トイレのドアを乱雑に叩く音が響いた