独白
最低な僕の
胸に穴が空いている
最初は拳ひとつ分くらいだった
後悔をするたびに
穴は広がった
とてもじゃないが
塞がりそうにない
優しい言葉をかけられても
言葉は穴を通り抜けて行く
悔し涙を流しても
涙は穴を通り抜けて行く
一体なにが この穴を埋められるというのか
パテでも
紙でも
石ころでも
埋められない
言葉でも
涙でも
温もりでも
埋められない
満たされたい
穴を見るたびそう思う
満たされない
穴を見るたび確信する
僕の作品の中にいる偶像(かみさま)
貴女なら穴を埋められますか
僕の夢の中にいる偶像(かみさま)
貴女に僕の穴を埋めて欲しい
今夜もキャベツ畑の縁で待ちます
今夜も僕は貴女を待ちます
独白 鳥山渉