食事
君は「幸福はシャンパンタワーのようだ」
と言っていたね
てっぺんの自分に幸せが注がれ
満たされて
溢れて初めて
下の段にいる身近な人に
幸福を分け与えられる
身近な人たちがまた自分の身近な人たちへ
そうやって幸福は連鎖していくのだろう と
その話を聞いて僕は
母に何度も言われたことを思い出したよ
「自分を守れない人間が誰かを守れるわけがない」
それからずっと 自分の生き方に疑問を持った
君のシャンパンタワーのたとえで言うのならば
僕は自分がシャンパンタワーの一番下の下
周りの人間たちの幸福の末に
僕の理想とする幸福はあった
自分のことは度外視で
まず周りが笑っててくれればいい
そんな生き方しか知らなかった
『少し、自分勝手に生きてみようぜ』
って声が 自分の中で聞こえた
その声に従おうと思った
でもわからなかった
『自分勝手に生きる』
どうやって?
歳をとるにつれ
自分の欲は薄れていった
人から与えられ続けた人生
人にも自分にも何も与えられなかった人生
でもたったひとつ
たったひとつだけ
『欲望』と言えるほど
醜く肥え太ったモノが自分の中に在る
『君に会いたい』
電話越しじゃなくて会って声が聴きたい
沢山の綺麗な景色や
美味しいもの
この先の『経験』をできるだけ君と共有したい
嬉しいことも悲しいことも
この先の『経験』を
君となら美味しく食べられる気がする
君の『言葉』の色はいつだって
春の陽気の様に僕の心を和ませてくれて
君の言葉の匂いはいつだって
二年間を共に過ごしたあの古い学舎の匂いがして
君の言葉の味はいつだって
あの日ふたりで眺めた夜の様に深く
幻想的な味がする
君の言葉を
僕は隣で『喰べ続けたい』
どんな関係だっていい
僕はいつだって
『言葉を喰らうバケモノ』なんだ
腹が減った
心の『冷蔵庫』には
いつだって君から貰った言葉の数々
いつかまた会えるその時まで
今は『冷蔵庫』のものを
喰べて待つとするよ
いつか君と
また直接
『食事(かいわ)』が
できる日が来るまで
食事 鳥山あゆむ
と言っていたね
てっぺんの自分に幸せが注がれ
満たされて
溢れて初めて
下の段にいる身近な人に
幸福を分け与えられる
身近な人たちがまた自分の身近な人たちへ
そうやって幸福は連鎖していくのだろう と
その話を聞いて僕は
母に何度も言われたことを思い出したよ
「自分を守れない人間が誰かを守れるわけがない」
それからずっと 自分の生き方に疑問を持った
君のシャンパンタワーのたとえで言うのならば
僕は自分がシャンパンタワーの一番下の下
周りの人間たちの幸福の末に
僕の理想とする幸福はあった
自分のことは度外視で
まず周りが笑っててくれればいい
そんな生き方しか知らなかった
『少し、自分勝手に生きてみようぜ』
って声が 自分の中で聞こえた
その声に従おうと思った
でもわからなかった
『自分勝手に生きる』
どうやって?
歳をとるにつれ
自分の欲は薄れていった
人から与えられ続けた人生
人にも自分にも何も与えられなかった人生
でもたったひとつ
たったひとつだけ
『欲望』と言えるほど
醜く肥え太ったモノが自分の中に在る
『君に会いたい』
電話越しじゃなくて会って声が聴きたい
沢山の綺麗な景色や
美味しいもの
この先の『経験』をできるだけ君と共有したい
嬉しいことも悲しいことも
この先の『経験』を
君となら美味しく食べられる気がする
君の『言葉』の色はいつだって
春の陽気の様に僕の心を和ませてくれて
君の言葉の匂いはいつだって
二年間を共に過ごしたあの古い学舎の匂いがして
君の言葉の味はいつだって
あの日ふたりで眺めた夜の様に深く
幻想的な味がする
君の言葉を
僕は隣で『喰べ続けたい』
どんな関係だっていい
僕はいつだって
『言葉を喰らうバケモノ』なんだ
腹が減った
心の『冷蔵庫』には
いつだって君から貰った言葉の数々
いつかまた会えるその時まで
今は『冷蔵庫』のものを
喰べて待つとするよ
いつか君と
また直接
『食事(かいわ)』が
できる日が来るまで
食事 鳥山あゆむ