ポエム
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燃える眠り姫とセカイ
凍える世界
皆が皆 寒さに怯え 暖かさを求める
そんなセカイの中心で 
私は薪として 炎に焼かれ続けている
毎日毎日 自分の皮膚が焼け焦げる匂いを嗅いで
毎日毎日 自分の骨が軋んで折れるメロディを聴く
集まる皆は私で暖をとる

燃やされ続けて何年経っただろう
ある日私は セカイの中心から逃げ出した
火傷に冷たい風がしみる
折れかけの足が痛む
走った
走った
走って
走って
何度も追っ手に捕まりかけて
銃創が絶えなかった
そして辿り着いたのはセカイの裏から

そこには花が満ちていて
小さく透き通った小川と
小さな森が風に揺られて音を奏でていた
ああ やっと逃げられた

私は灰になる
この美しい景色の中で
死ねない私はやっと深い眠りにつき
やがてこの土地の養分になるのだ

燃える眠り姫とセカイ
22/12/04 23:18更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
焼死って苦しいと思うし 銃で撃たれた痛みなんて想像もしたくない。

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