ポエム
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デュラハン
夜に溶けていく
振り向けば遠くに街灯
空は星も月も雲に覆われ
遠くの方がうっすら明るくなってきている
明日は近く 幸福は遠い

視界の隅でチリチリと音を立て
燃える煙草の火種は近くて
歩いてきた道 振り向いた道の
街灯は遠く光っている
明日が怖い 幸福が怖い

遠くで川の音が聴こえる
ざぁーっ ざぁーっ
胸の中で僕が鳴いている
ざああっ ざああっ

夜は眠る
町も 友達も 家族も
僕だけが起きている
未練たらしく
何も無かった今日を想って
成仏できない幽霊みたいに
明かりのない夜の町を歩く

明日 僕は何かに成れるだろうか
きっとなれない
じゃあいつ 何かに成れる?
きっとそんな時はいつまでも来ない
十年後も二十年後も
僕は夜の町を彷徨い歩く

何か と言う首を求めて
彷徨い歩く

デュラハン 鳥山あゆむ
22/11/19 21:15更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
夜明け前 眠れずに外を彷徨い歩きながら書きました。
最近また「普通の生活」が送れていません。
しんどいけど 生きることは諦めない。

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