ポエム
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心臓が止まった
ある朝、心臓が止まった
脈打つ鼓動のない僕は
死体か ロボットか
からっぽの脳味噌だけが動く

自転車を漕いで
近くの海辺へ
ぼーっとただ水平線を眺める
海猫が五月蝿いな

働くことをやめた心臓を
抉り出した僕は
夕焼けに染まる海の向こうへ
思いっきり投げ捨てた

ぽちゃん。
遠くで聴こえた音を背に
胸元が真っ赤になったTシャツを着て
僕は家へ帰るのだ

穴の空いた
胸の真ん中より少し左の場所に
鼓動の代わりになり得るものはあるのか
考えながら眠りにつく

心臓が止まった 鳥山あゆむ
22/10/02 01:23更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
以前も作者メッセージで書いた気がしますが、時々自分が本当に「生きている」のか不安になります。
自分の胸に手を当て鼓動を感じても「思い込みでは?」と考える。
そんなところからこの作品はできました。

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