心臓が止まった
ある朝、心臓が止まった
脈打つ鼓動のない僕は
死体か ロボットか
からっぽの脳味噌だけが動く
自転車を漕いで
近くの海辺へ
ぼーっとただ水平線を眺める
海猫が五月蝿いな
働くことをやめた心臓を
抉り出した僕は
夕焼けに染まる海の向こうへ
思いっきり投げ捨てた
ぽちゃん。
遠くで聴こえた音を背に
胸元が真っ赤になったTシャツを着て
僕は家へ帰るのだ
穴の空いた
胸の真ん中より少し左の場所に
鼓動の代わりになり得るものはあるのか
考えながら眠りにつく
心臓が止まった 鳥山あゆむ
脈打つ鼓動のない僕は
死体か ロボットか
からっぽの脳味噌だけが動く
自転車を漕いで
近くの海辺へ
ぼーっとただ水平線を眺める
海猫が五月蝿いな
働くことをやめた心臓を
抉り出した僕は
夕焼けに染まる海の向こうへ
思いっきり投げ捨てた
ぽちゃん。
遠くで聴こえた音を背に
胸元が真っ赤になったTシャツを着て
僕は家へ帰るのだ
穴の空いた
胸の真ん中より少し左の場所に
鼓動の代わりになり得るものはあるのか
考えながら眠りにつく
心臓が止まった 鳥山あゆむ