大きな選択
選択を迫られた
長年苦楽を共にしてきた友人を取るか
こんな僕に「大好き」と言ってくれる女の子を取るか
今まで重要な選択肢が出た時 僕は欲張って
両方取る道を選んできた
でも今回は どちらかを選ぶしかなかった
自分の人生を棒に振るのはよかった
でも両方取れば自分だけじゃない
周りの友人にまで迷惑がかかる
僕は友を選んだ
その旨を彼女に伝えた
当然、彼女は怒っていた
「なんで私ばかりこんな辛い思いしなきゃいけないの」
って言われた
「辛いのは君だけじゃないよ」
って言葉が心臓から喉を通って口に出た
彼女はひとしきり恨み言を言って
最後に僕の名前を呼んだ
返事をしたらこう言ったんだ
「大好き」
そんなのってズルいじゃないか
一晩経って思う
僕は 正しかったのだろうか
大きな選択 鳥山あゆむ